【新唐人2016年3月14日】
中国国務院総理李克強(りこくきょう)氏が、中国人民代表大会での政府報告で、再び、天津の大爆発事故について言及しました。また、天津代表団も記者会見で、「8.12」の爆発事故が天津へ与えた影響について応答しました。同時に、中国当局が、日本のNHKテレビが制作したドキュメンタリー『天津爆発事故 中国社会の深い闇』の放送禁止令を出しました。
各ネットワークは、NHKのドキュメンタリー『天津爆発事故 中国社会の深い闇』を削除し、フィードバックデータを回収します。
昨年、天津大爆発の1カ月後、中国当局の情報封鎖の厳しい状況のなか、日本NHKテレビが『天津爆発事故 中国社会の深い闇』のドキュメンタリーを制作、放送しました。事故現場、被害者へのインタビュー、専門家の分析などが含まれています。
事故の原因はまだ発表されていませんが、初期のスプリンクラー作動によって、大爆発を引き起こしたとの認識があり、政府は、犠牲になった消防士のことを度々発表しました。
NHKのドキュメンタリーが、現場のリアルな映像を見せ、中国当局が隠蔽しようとしている真相と死傷者数を露呈しました。
当局は、ネットで、政府が公開した情報に反対している市民を相次いで取り締まり、事故原因調査の番組を中止し、情報管理を強化しています。
NHKテレビは、また、何人か現地住民にインタビューし、事故現場の周りは当局の厳しい監視が感じられ、実際の災害状況を漏らしてはならないと警告されていると述べました。
現地住民
「家は被弾したのと同じで、まるで戦場のようです。その近くで働いている出稼ぎ労働者がいます。隣のホテルが何軒もあり、どう言ったらいいでしょう」
爆発が発生したとき、安徽(あんき)省元検察官沈良慶(しん りょうけい)氏は、天津爆発事故の死傷者数を発表したことで、地元の警察に9日間、行政拘禁されたことが調査によって、分かりました。
一方、今年の両会(中国人民代表大会と中国人民政治協商会議)で、李克強氏が、再び、天津の大爆発事故と東方之星沈没事故を言及し、事故がひき起こした「人員と財産の損失は重大で、教訓は極めて深刻である」と話しました。
3月8日、人民代表大会の天津代表団がメディアからの質問を受け、「8.12」爆発事故の天津への影響に関して、天津市委員会代理書記、市長黄興国(こう こうこく)氏が、痛切な教訓であり、事故調査報告によると、直接の経済損失は68.66億人民元であることを認めました。
黄興国氏は、事故は天津市の将来の発展に影響しないものの、多くの問題が存在することも認識しています。例えば、生産の安全性、安全検査の厳密性、管理システムの不備、等等です。
中国当局によると、天津の爆発によって、165人が死亡、8人が行方不明、798人が負傷しました。2月に事故の懲罰結果を発表し、事故に関係する地方官僚5名、うち、副市長1名は行政降格とし、ほかの4名は警告を受け、解任される人はいません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/03/10/a1256848.html (中国語)
(翻訳/小松 ナレーター/金丸 映像編集/李)